愛してるって言って!
第5章 【夜の闇は白い朝を連れてくる】
「いいか、あいつを死んだ嫁の代わりに好きなだけ抱いて、気が済んだから捨てるってんなら、オレはお前を許さないからな」
胸倉を掴んでいる手は、怒りのあまり震えている。そんな嶋を前にしても、静矢は不気味なくらい冷静だった。
「俺は、そんな事はしてない」
「ならなんで忍はあんなに辛そうなんだ!?」
嶋は更に声を荒げると、静矢はひどく辛そうな顔をした。
「俺は、あいつを…好き勝手にして傷つけた。俺と忍は…無理なんだ。あいつの中にも、俺と同じ様に茜がいる。それが変わらない限り、俺は忍をきっとまた傷つける。そうなれば、あいつもいつか俺といる事を後悔して、俺から去って行く。俺は、もう…失くしたくない。義理の兄としてでも、あいつのそばにいたいんだ」
「だったら…なんで手ぇ出したりした」
「それは…」
「お前があいつに手なんか出さなきゃ、こうはならなかったはずだろ」
そしたら今頃きっとまだ、お前らは義兄弟のままで、オレは忍を諦めたりしなかった…!
忍の明るい笑顔が、嶋の頭の中に浮かんでは消えていく。静矢と不安定な関係を持っていた事で、忍がどれだけ辛い思いをしていたのかと思うと、嶋は胸が苦しくなった。
「どうしようも…なかった」
「あ?」
「そうしたかったんだ」
「お前っ…!」
嶋は、静矢の言葉に激昂し、気付いた時には既に拳でその顔を殴っていた。鈍い音がして、静矢は雪が積もった嶋の家のガレージに倒れた。
胸倉を掴んでいる手は、怒りのあまり震えている。そんな嶋を前にしても、静矢は不気味なくらい冷静だった。
「俺は、そんな事はしてない」
「ならなんで忍はあんなに辛そうなんだ!?」
嶋は更に声を荒げると、静矢はひどく辛そうな顔をした。
「俺は、あいつを…好き勝手にして傷つけた。俺と忍は…無理なんだ。あいつの中にも、俺と同じ様に茜がいる。それが変わらない限り、俺は忍をきっとまた傷つける。そうなれば、あいつもいつか俺といる事を後悔して、俺から去って行く。俺は、もう…失くしたくない。義理の兄としてでも、あいつのそばにいたいんだ」
「だったら…なんで手ぇ出したりした」
「それは…」
「お前があいつに手なんか出さなきゃ、こうはならなかったはずだろ」
そしたら今頃きっとまだ、お前らは義兄弟のままで、オレは忍を諦めたりしなかった…!
忍の明るい笑顔が、嶋の頭の中に浮かんでは消えていく。静矢と不安定な関係を持っていた事で、忍がどれだけ辛い思いをしていたのかと思うと、嶋は胸が苦しくなった。
「どうしようも…なかった」
「あ?」
「そうしたかったんだ」
「お前っ…!」
嶋は、静矢の言葉に激昂し、気付いた時には既に拳でその顔を殴っていた。鈍い音がして、静矢は雪が積もった嶋の家のガレージに倒れた。