
愛してるって言って!
第1章 【酒と男と双子の弟】
家に着くと、静矢はすぐにスーツを脱いで、シャワーを浴びる。ネクタイを怠そうに解く仕草や、ワイシャツを脱ぐ姿を見る度に、忍の胸は、いつも高鳴ってしまっていた。毎日の事なのに、その腕や、胸に抱かれる事をつい想像してしまい、思わず顔を背けては、必死に自分を落ち着かせていた。
「今日のカレー、あれ美味かったよ」
上半身が裸のまま、静矢は言う。
「でしょ?良かった」
毎日の事だけど、目のやり場に困るんだよな…。
静矢は学生時代、バレー部だったらしい。部活で鍛えられたその身体は、細身だが、今も筋肉が衰える事なく、綺麗についていた。そんな静矢の身体も、忍は好きだった。
「本当、毎日忍の飯を食えるのは、幸せだよな」
まるで独り言のように、静矢はそう言ってから風呂へ入る。忍は、思わずにやけそうになって、口元を手で隠した。
なんでそういう事、さらっと言うかな…。
静矢の言葉にはいつも嘘がない。時としてそれは、不器用とも言えるかもしれないが、その代わり、いつでも真っすぐに、ちゃんと忍に届く。
忍は、うるさい胸を抑え、深呼吸をした。静矢と同じ屋根の下に暮らし始めて三ヶ月。忍は自分の想いが日に日に大きくなっているような気がして、少し怖くなる時もあった。
そんな想いを振り払うかの様に、静矢が風呂に入っている間、忍はお湯を沸かし、ほんの少し冷ましてからコーヒーを淹れる。そうして、静矢が風呂から出て一息つく頃には、一杯のコーヒーが出来上がる。忍は静矢と過ごす、この時間が好きだった。
「お先。いつも悪いな」
風呂から出てきた静矢は、髪をざっと乾かすと、必ずそう言ってダイニングの椅子に座る。
「いただきます」
テーブルの上のコーヒーを口にして、嬉しそうに微笑む静矢の顔を確認するように見てから、忍は風呂に入る。特に決めたわけでもないが、それはいつの間にか、二人の習慣のようになっていた。
「今日のカレー、あれ美味かったよ」
上半身が裸のまま、静矢は言う。
「でしょ?良かった」
毎日の事だけど、目のやり場に困るんだよな…。
静矢は学生時代、バレー部だったらしい。部活で鍛えられたその身体は、細身だが、今も筋肉が衰える事なく、綺麗についていた。そんな静矢の身体も、忍は好きだった。
「本当、毎日忍の飯を食えるのは、幸せだよな」
まるで独り言のように、静矢はそう言ってから風呂へ入る。忍は、思わずにやけそうになって、口元を手で隠した。
なんでそういう事、さらっと言うかな…。
静矢の言葉にはいつも嘘がない。時としてそれは、不器用とも言えるかもしれないが、その代わり、いつでも真っすぐに、ちゃんと忍に届く。
忍は、うるさい胸を抑え、深呼吸をした。静矢と同じ屋根の下に暮らし始めて三ヶ月。忍は自分の想いが日に日に大きくなっているような気がして、少し怖くなる時もあった。
そんな想いを振り払うかの様に、静矢が風呂に入っている間、忍はお湯を沸かし、ほんの少し冷ましてからコーヒーを淹れる。そうして、静矢が風呂から出て一息つく頃には、一杯のコーヒーが出来上がる。忍は静矢と過ごす、この時間が好きだった。
「お先。いつも悪いな」
風呂から出てきた静矢は、髪をざっと乾かすと、必ずそう言ってダイニングの椅子に座る。
「いただきます」
テーブルの上のコーヒーを口にして、嬉しそうに微笑む静矢の顔を確認するように見てから、忍は風呂に入る。特に決めたわけでもないが、それはいつの間にか、二人の習慣のようになっていた。
