
愛してるって言って!
第1章 【酒と男と双子の弟】
それから二十分程で、二人は店に着いた。幸い、店内は空いている。窓際の席へ座った二人のテーブルの上では、小さなキャンドルが揺れていた。窓から見える欧風の広い庭には、ランプが所々に置かれ、小道を照らしている。それはまるで、おとぎ話の絵本の中に出て来る風景を、切り取ったかの様だった。
「やっぱりここは夜が綺麗だよね。昼も嫌いじゃないけど」
忍はそう言いながら、メニューを開き、ちょっと目を通してからすぐに閉じる。
「決まった」
「もう?」
「うん。牛頬のビール煮」
「速いな」
「決めてたからね」
「じゃあ俺は今日は…鶏にしようかな」
「ねぇ、義兄さん。ちょっとだけ、飲んでもいい?」
忍は、静矢の顔色を窺うようにして聞く。
「いいよ。まぁ明日もあるから、影響しない程度に好きなだけ飲め」
「やった!ビール久しぶり!」
忍は酒が好きだ。東京にいた頃は、厨房の仕事と両立して、酒類を学ぶ為にホール経験をもさせてもらっていたと聞いている。ビール、ワイン、ウイスキー、日本酒、忍は何でも好きだった。
静矢は二人分の料理と、自分様にノンアルコールビールを、忍は季節限定の地ビールを注文する。先に飲み物が運ばれてくると、二人は早速、乾杯をした。
「やっぱりここは夜が綺麗だよね。昼も嫌いじゃないけど」
忍はそう言いながら、メニューを開き、ちょっと目を通してからすぐに閉じる。
「決まった」
「もう?」
「うん。牛頬のビール煮」
「速いな」
「決めてたからね」
「じゃあ俺は今日は…鶏にしようかな」
「ねぇ、義兄さん。ちょっとだけ、飲んでもいい?」
忍は、静矢の顔色を窺うようにして聞く。
「いいよ。まぁ明日もあるから、影響しない程度に好きなだけ飲め」
「やった!ビール久しぶり!」
忍は酒が好きだ。東京にいた頃は、厨房の仕事と両立して、酒類を学ぶ為にホール経験をもさせてもらっていたと聞いている。ビール、ワイン、ウイスキー、日本酒、忍は何でも好きだった。
静矢は二人分の料理と、自分様にノンアルコールビールを、忍は季節限定の地ビールを注文する。先に飲み物が運ばれてくると、二人は早速、乾杯をした。
