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愛してるって言って!

第2章 【四人の男は恋をしている】

そんなわけないじゃん。バカじゃないの、おれ。
「まぁ、あり得ないだろうな」
「どうせ嶋さんはそうなってほしいだけでしょ」
「当たり前だ。っていうか、前にも言ったろ。あいつとどうかなったって、それはお前が欲しかったもんとは違うよ」
そんなのは…わかってる。でも、それでもいい。
万が一、百万が一、静矢に愛される事があるなら、例えそれが自分の望んだ形とは違っても本望だと、忍は思い始めていた。
「まぁ、ないだろうけどさ」
忍は、そう思う度、心と身体がバラバラになる感覚を覚えていた。身体はいつも、静矢にいつの日か愛される事を待ち望んでいるのに、頭の中では、諦めようとか、もう無理だと、必死に自分に言い聞かせている。忍が静矢のそばにいようと決めた時から、いつか静矢への気持ちに歯止めが利かなくなるかもしれない事は、覚悟はしていた。そして、一度その気持ちが走り出せば、もう止める事が出来なくなる事も。だがそれが、こんなにも苦しい事だとは、忍は想像していなかった。

「長期戦だな」
嶋は食事を終えると、それだけ言って店を出て行った。

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