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愛してるって言って!

第2章 【四人の男は恋をしている】

「別に…そういうんじゃないけど…」
「これからは、お前の好きにしていいから。前も言ったけど、気にするな。…さてと、俺は風呂に入って来るよ。お前も、もう眠いなら上行ってちゃんと寝ろ」
「わかってるよ。またすぐそうやって子供扱いして…」
「子ども扱い?」
「してるでしょ」
忍は口を尖らせて、むくれている。
「うーん…でも、子どもっていうか、なんか…女房みたい、だけどな」
「え…?」
「あ、いや…母親、かな。おやすみ」
静矢は、そう言って笑うと、風呂へ向かった。

静矢が風呂から上がり、リビングに戻ると、そこに忍の姿はなかった。ちゃんと寝室へ行ったのだろう。静矢は、テレビをつけてリモコンで音を消した。それから、忍の作ってくれた夕食を温めて食べ、食後にコーヒーを淹れる。だがそれは、やはり忍が淹れてくれるものには程遠かった。
「不思議なもんだな…」
コーヒーを飲みながら、静矢はテレビを眺めた。映されている番組に興味こそなかったが、ボーッとただ目のやり場にして、頭では忍の事を考えていた。

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