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愛してるって言って!

第2章 【四人の男は恋をしている】

今に忍を、何としてでも手に入れてやる。
忍を知れば知るほど、嶋の想いは強くなっていく。手が届きそうで届かない、捕まえたと思ったらするりと逃げてしまう、そんな忍は、ベッドの上ではどんな風に求め、啼くのだろう。憎まれ口ばかり叩くあの口で、いつも美味い料理をさらっと作って持ってくるあの手で、どんな風に愛してくれるのだろう。いつもそれを考えただけで、嶋は自分の欲望を抑えきれなくなりそうだった。きっと忍も、同じ事を静矢に対して思う事はあるだろう。そう思った時、同じ屋根の下で暮らす静矢の存在が、如何に脅威かという事を、嶋は思い知るのだ。そして嶋がそれをつい考えてしまうのは、二人が揃って休みを取っている、週初めの月曜、火曜と決まっていた。そんな、悶々としてしまう二日間の遊び相手には、千春はちょうど良かった。
「多少気は紛れるか」
あいつは嫌いじゃない。
嶋はスタッフルームに入ると、ご機嫌で鼻歌を口ずさんだ。

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