
愛してるって言って!
第1章 【酒と男と双子の弟】
「少しは元気にならなきゃな」
静矢がそう言うと、忍はまた少し笑みを浮かべて、苦手なはずのカフェオレを飲んだ。
忍は東京にいた頃、イタリアンレストランの厨房で働いていた。それが、ある日突然、静矢の元へやって来て、半ば勝手に住み着く形で、静矢と暮らすようになっていた。静矢も、それを特に拒否したりする事はしなかった。ただ、忍は茜の双子の弟で、しかも二人は一卵性双生児だった為、その外見は本当によく似ていた。忍と生活するようになって三ヶ月が過ぎた今でも、静矢は時々、忍と茜をつい重ねてしまう。どんなに似ていようが忍は茜とは違う人間だ、とわかっていても、その度に静矢はドキッとさせられるのだった。
男を、綺麗だと思うのは変か…。
静矢は忍の横顔を見て思う。別にだからと言ってどうという事はないのだが、忍は間違いなく美形だ。少し切れ長の二重の目や、鼻筋の通った鼻、透き通るような白い肌、そして、嬉しそうに笑った顔も。
やっぱり…似てる。
双子なのだから当たり前なのだが、そんな二人が決定的に違うのは、忍は男であるという事。それから、茜と忍の性格は、正反対だという事だ。
「忍、そろそろ行くよ。また、帰りに迎えに来る」
「オッケー、待ってるね」
静矢は代金を店のカウンターへ置くと、席を立ち、店を出た。
静矢がそう言うと、忍はまた少し笑みを浮かべて、苦手なはずのカフェオレを飲んだ。
忍は東京にいた頃、イタリアンレストランの厨房で働いていた。それが、ある日突然、静矢の元へやって来て、半ば勝手に住み着く形で、静矢と暮らすようになっていた。静矢も、それを特に拒否したりする事はしなかった。ただ、忍は茜の双子の弟で、しかも二人は一卵性双生児だった為、その外見は本当によく似ていた。忍と生活するようになって三ヶ月が過ぎた今でも、静矢は時々、忍と茜をつい重ねてしまう。どんなに似ていようが忍は茜とは違う人間だ、とわかっていても、その度に静矢はドキッとさせられるのだった。
男を、綺麗だと思うのは変か…。
静矢は忍の横顔を見て思う。別にだからと言ってどうという事はないのだが、忍は間違いなく美形だ。少し切れ長の二重の目や、鼻筋の通った鼻、透き通るような白い肌、そして、嬉しそうに笑った顔も。
やっぱり…似てる。
双子なのだから当たり前なのだが、そんな二人が決定的に違うのは、忍は男であるという事。それから、茜と忍の性格は、正反対だという事だ。
「忍、そろそろ行くよ。また、帰りに迎えに来る」
「オッケー、待ってるね」
静矢は代金を店のカウンターへ置くと、席を立ち、店を出た。
