愛してるって言って!
第2章 【四人の男は恋をしている】
「あっ、おはようございます!噂をすれば、ですね」
「噂って?」
店に入って来たのは静矢だった。
「今、蒔田さんの話をしてたんです。忍さんと仲良しですねって」
やめろって…!
忍は照れくさくて、静矢の顔をまともに見れなかった。
「あぁ、まぁ…忍は、最初から友人みたいな感じだったからな…」
静矢は、困り顔で笑っている。
「へぇ、そうなんですか!だから…」
「普通だってば」
「そうだ、忍。今日昼過ぎに、一件見学が入った。急なんだけど、最後にまたここを使いたいんだ。席、頼めるか」
「うん、わかった。大丈夫だよ。窓際がいい?」
「できればな」
「了解」
「じゃあ、よろしく頼む」
静矢は、そう言うが早いか、颯爽と店を出て行った。
よし、今日はツイてる!
その日の昼過ぎ。静矢は、男女のカップルを連れて、店へ入って来た。
「いらっしゃいませ」
静矢は忍に目配せをしてから、予約席の札が置いてある窓際の席へ、その二人を案内する。三人が席に着くと、忍はその席にドリンクのオーダーを取りに行った。そして注文されたドリンクを作ると、小さな焼き菓子と一緒にそれを出した。
しばらく静矢は、手元の資料や、ノートパソコンを時折その二人に見せながら、話をしていた。避暑地の美術館ならではの、静かでゆったりとした挙式は、ここ数年で人気が急激に上がっているらしい。ホテルや、大きな式場とはまた違った良さがあり、金銭的にも安く、面倒が少ないという点から、見学に来る人の数は、年々確実に増えている様だった。
忍は、仕事をしている時の静矢が好きだ。いつも凛々しくて、言葉の使い方も綺麗で柔らかい。たまにこぼす冗談も上品だ。静矢の仕事中の姿を近くで見る時、忍はちょっとしたご褒美をもらっている気分になる。
しばらくすると、説明は一通り終わったらしく、三人は席を立った。静矢は忍を見て、一瞬微笑んで会釈してから、店を出て行く。
あの笑顔はずるい…。
忍の胸が、急に狭くなったようにキュッと痛んだ。
「あの…もしかして…」
「何!?」
千春の声に、忍はハッと我に返った。
「忍さんて、蒔田さんの事好きなんですか…?」
「噂って?」
店に入って来たのは静矢だった。
「今、蒔田さんの話をしてたんです。忍さんと仲良しですねって」
やめろって…!
忍は照れくさくて、静矢の顔をまともに見れなかった。
「あぁ、まぁ…忍は、最初から友人みたいな感じだったからな…」
静矢は、困り顔で笑っている。
「へぇ、そうなんですか!だから…」
「普通だってば」
「そうだ、忍。今日昼過ぎに、一件見学が入った。急なんだけど、最後にまたここを使いたいんだ。席、頼めるか」
「うん、わかった。大丈夫だよ。窓際がいい?」
「できればな」
「了解」
「じゃあ、よろしく頼む」
静矢は、そう言うが早いか、颯爽と店を出て行った。
よし、今日はツイてる!
その日の昼過ぎ。静矢は、男女のカップルを連れて、店へ入って来た。
「いらっしゃいませ」
静矢は忍に目配せをしてから、予約席の札が置いてある窓際の席へ、その二人を案内する。三人が席に着くと、忍はその席にドリンクのオーダーを取りに行った。そして注文されたドリンクを作ると、小さな焼き菓子と一緒にそれを出した。
しばらく静矢は、手元の資料や、ノートパソコンを時折その二人に見せながら、話をしていた。避暑地の美術館ならではの、静かでゆったりとした挙式は、ここ数年で人気が急激に上がっているらしい。ホテルや、大きな式場とはまた違った良さがあり、金銭的にも安く、面倒が少ないという点から、見学に来る人の数は、年々確実に増えている様だった。
忍は、仕事をしている時の静矢が好きだ。いつも凛々しくて、言葉の使い方も綺麗で柔らかい。たまにこぼす冗談も上品だ。静矢の仕事中の姿を近くで見る時、忍はちょっとしたご褒美をもらっている気分になる。
しばらくすると、説明は一通り終わったらしく、三人は席を立った。静矢は忍を見て、一瞬微笑んで会釈してから、店を出て行く。
あの笑顔はずるい…。
忍の胸が、急に狭くなったようにキュッと痛んだ。
「あの…もしかして…」
「何!?」
千春の声に、忍はハッと我に返った。
「忍さんて、蒔田さんの事好きなんですか…?」