
愛してるって言って!
第3章 【合縁奇縁】
「茜っ!」
静矢の目に、見慣れた天井が映る。それを見つめ、静矢はゆっくりと起き上がった。頭がまるで石の様に重い。吐き気がしてくるような、ひどい気分だった。どうやら、いつの間にかソファで眠ってしまっていたらしい。テレビは消音で点いたままになっている。時計の針は、午前4時を指していた。静矢はゆらりと立ち上がると、忍の様子を見に、二階へ上がる。だが、寝室の前まで来て、静矢は立ち止まった。寝室の部屋のドアが開いている。
さっきは確かに閉めたのに…。
その時、背中が凍ったように冷たくなった。焦って寝室のドアを開けると、ベッドに忍はいなかった。
「忍…?」
静矢はすぐに一階に降りる。人の気配はない。心臓が何かを警戒しているように速く鳴っている。変な汗が、じわりと身体中から滲んでいるのがわかった。
静矢は風呂場を見やり、頭を振った。風呂場の電気は消えている。
そんなわけない。あいつは違う。
思い切って風呂場の扉を開ける。だが、そこはいつも通りで、何か変わった様子は微塵もなかった。
「忍!?」
声を張り上げて呼んでも、返事はない。焦って窓の外を見ると、月明かりが照らす、雪の積もった真っ白な庭に、人影を見つけた。それを見るなり、静矢は急いで外へ出た。
「忍!」
「あっ…静矢さん」
忍は、半纏を着て夜空を見上げていた。
「そこで何、してるんだ…?」
「あ、あのね、こんなに雪が積もってたなんて気付かなかったんだ。外、明るいなって思ったら、満月が出てて、雪が反射してて、すっごい綺麗だったもんだから、どうしても庭に出たくなってさ。だけど、静矢さん絶対怒るって思ったから、こっそり出て来ちゃったんだ」
忍は、そう言って苦笑いした。
「だいぶ良くなったから、ちょっとならいいかなって、思ったんだけど…」
このバカ…!
その顔を見て、堪らなくなった静矢は、次の瞬間、咄嗟に忍を抱きしめていた。
静矢の目に、見慣れた天井が映る。それを見つめ、静矢はゆっくりと起き上がった。頭がまるで石の様に重い。吐き気がしてくるような、ひどい気分だった。どうやら、いつの間にかソファで眠ってしまっていたらしい。テレビは消音で点いたままになっている。時計の針は、午前4時を指していた。静矢はゆらりと立ち上がると、忍の様子を見に、二階へ上がる。だが、寝室の前まで来て、静矢は立ち止まった。寝室の部屋のドアが開いている。
さっきは確かに閉めたのに…。
その時、背中が凍ったように冷たくなった。焦って寝室のドアを開けると、ベッドに忍はいなかった。
「忍…?」
静矢はすぐに一階に降りる。人の気配はない。心臓が何かを警戒しているように速く鳴っている。変な汗が、じわりと身体中から滲んでいるのがわかった。
静矢は風呂場を見やり、頭を振った。風呂場の電気は消えている。
そんなわけない。あいつは違う。
思い切って風呂場の扉を開ける。だが、そこはいつも通りで、何か変わった様子は微塵もなかった。
「忍!?」
声を張り上げて呼んでも、返事はない。焦って窓の外を見ると、月明かりが照らす、雪の積もった真っ白な庭に、人影を見つけた。それを見るなり、静矢は急いで外へ出た。
「忍!」
「あっ…静矢さん」
忍は、半纏を着て夜空を見上げていた。
「そこで何、してるんだ…?」
「あ、あのね、こんなに雪が積もってたなんて気付かなかったんだ。外、明るいなって思ったら、満月が出てて、雪が反射してて、すっごい綺麗だったもんだから、どうしても庭に出たくなってさ。だけど、静矢さん絶対怒るって思ったから、こっそり出て来ちゃったんだ」
忍は、そう言って苦笑いした。
「だいぶ良くなったから、ちょっとならいいかなって、思ったんだけど…」
このバカ…!
その顔を見て、堪らなくなった静矢は、次の瞬間、咄嗟に忍を抱きしめていた。
