
愛してるって言って!
第3章 【合縁奇縁】
ひょっとして…いや、やめとこう。
そんな期待は、考えるだけ無駄だ、と思い直してはまた、元の悩みへ戻っていく。
で、誕生日はどうしよう…。
「あっ!じゃあ、忍さん!みんなでお祝いするっていうのは…」
「それはだめ!」
「えっ?」
忍は、思わずそう言ってから、苦笑いする。
「あ…ごめん、せっかくだし、二人でいたいんだ」
「そっか、そうですよね」
千春はいいんだけどね…。
問題は嶋だ。嶋に酒が入るのは危険過ぎる。もしかしたらまた、キスされる事もあるかもしれないし、それだけで済まない事だってあり得る。もし、そんな所を静矢に見られでもしたら最悪だ。誤解され、軽蔑されて、家を追い出されるかもしれない。
皆でお祝いは却下。やっぱり…ビール工房のレストランで二人で食事、がいいかな。
そこは静矢が好きな店だ。雰囲気もいいし、二人でちょっと特別な日を祝うのにはちょうど良かった。
その時。カラン、と音がして店の扉が開く。
「静矢さん?」
こんな朝早くから店へやって来るのは、静矢だと信じ、振り返った忍は落胆する。
「嶋さんか」
「嶋さんか、じゃないだろ。千春は?」
嶋は店を見渡して千春を探している。ここ最近、どういう風の吹き回しか、嶋が千春に会いに来る事が急に増えていた。特に何も用事はなさそうなのだが、だからこそ余計に不思議だった。初めは、嶋がとうとう忍の事を諦めて、千春を口説くようになったのか、と忍は思った。だが、千春が休みの日になると、嶋は相変わらず、忍にちょっかいを出してくる。嶋はああ見えて、お気に入りに端から手を出すタイプでもない。一見軽そうに見えるが、意外と根は真面目な人間なのだ。
「嶋さん!おはようございます!」
嬉しそうな顔で、千春が奥から出てきて、嶋に駆け寄る。忍はその光景を目にしながら、首を傾げた。
そんな期待は、考えるだけ無駄だ、と思い直してはまた、元の悩みへ戻っていく。
で、誕生日はどうしよう…。
「あっ!じゃあ、忍さん!みんなでお祝いするっていうのは…」
「それはだめ!」
「えっ?」
忍は、思わずそう言ってから、苦笑いする。
「あ…ごめん、せっかくだし、二人でいたいんだ」
「そっか、そうですよね」
千春はいいんだけどね…。
問題は嶋だ。嶋に酒が入るのは危険過ぎる。もしかしたらまた、キスされる事もあるかもしれないし、それだけで済まない事だってあり得る。もし、そんな所を静矢に見られでもしたら最悪だ。誤解され、軽蔑されて、家を追い出されるかもしれない。
皆でお祝いは却下。やっぱり…ビール工房のレストランで二人で食事、がいいかな。
そこは静矢が好きな店だ。雰囲気もいいし、二人でちょっと特別な日を祝うのにはちょうど良かった。
その時。カラン、と音がして店の扉が開く。
「静矢さん?」
こんな朝早くから店へやって来るのは、静矢だと信じ、振り返った忍は落胆する。
「嶋さんか」
「嶋さんか、じゃないだろ。千春は?」
嶋は店を見渡して千春を探している。ここ最近、どういう風の吹き回しか、嶋が千春に会いに来る事が急に増えていた。特に何も用事はなさそうなのだが、だからこそ余計に不思議だった。初めは、嶋がとうとう忍の事を諦めて、千春を口説くようになったのか、と忍は思った。だが、千春が休みの日になると、嶋は相変わらず、忍にちょっかいを出してくる。嶋はああ見えて、お気に入りに端から手を出すタイプでもない。一見軽そうに見えるが、意外と根は真面目な人間なのだ。
「嶋さん!おはようございます!」
嬉しそうな顔で、千春が奥から出てきて、嶋に駆け寄る。忍はその光景を目にしながら、首を傾げた。
