
愛してるって言って!
第3章 【合縁奇縁】
「忍?ちょっといいか」
「何?」
寝室に入ると、忍は既にベッドに横になっていた。仰向けになって、腕を頭の後ろで組み、目だけを静矢の方へ向けている。
「静矢さん、どうかした?」
「ちょっと…話がある」
忍は、ベッドから身体を起こし、そこに胡坐をかいて座った。
「寝てなかったんだな」
「うん…急に目が冴えて来ちゃって。話って?」
酔いが醒めてきたらしく、忍はすっきりした顔をしている。静矢は、忍を見て、さっき店で見てしまった光景を再び思い出し、苛立つ気持ちを必死に抑えた。
「忍」
「静矢さん、怒ってる?なんか怖い顔してる」
「お前、嶋とどういう関係なんだ?」
「えっ?」
忍は驚いた顔で、静矢を見つめたが、すぐにその目線を逸らした。
やっぱり…二人には何かある。
忍の反応で、静矢はすぐにそう思った。
「付き合ってるのか」
「は…?!付き合ってる?!ちょっと待って…何それ、おれが、嶋さんと?」
「違うのか?だったらお前ら、今日、店のトイレの前で何してたんだ」
静矢がそう言った途端、忍は黙り込んだ。
「つまり、あれはそういう関係って事じゃないのか?」
「ちがっ…あれは…嶋さんが無理矢理…」
「無理矢理?」
「うん…。おれ、すごい酔っぱらってて、あの時力入らなくて…。あっでも、いつもはちゃんと…!」
そこまで言ってから、しまった、と言わんばかりに、忍は口を噤んだ。
「いつもは?じゃあ、ああいう事するのは今日が初めてじゃないんだな」
忍は、無言のまま頷いた。
「でも、付き合ってるわけじゃない…っていうか、そんな事絶対ないから!」
「じゃあ嶋の事は、好きなわけじゃないのか?」
「好きなわけないじゃん!だっておれは…!」
「何だ?」
「やっぱいい…。何でもない…」
静矢は、まるで親に怒られている子供の様に俯く忍を見つめ、深いため息をついた。
「お前はそういうつもりはなくても、嶋はお前に惚れてる。そういうことか?」
「うん…」
「いつからだ」
「ここに来て…すぐ」
「そんなに前から…?」
「うん」
「そうか」
静矢は、初めて嶋に忍を会わせた日の事を思い出した。それと同時に、静矢の嫉妬心は限界まで一気に募っていく。それは渦巻くように静矢の脳の奥深くに眠る、雄の本能を掻き立てた。
「静矢さん…!おれ本当は…」
忍が言いかけた言葉を待たずに、静矢は忍を胸の中にギュッと強く抱きしめた。
「何?」
寝室に入ると、忍は既にベッドに横になっていた。仰向けになって、腕を頭の後ろで組み、目だけを静矢の方へ向けている。
「静矢さん、どうかした?」
「ちょっと…話がある」
忍は、ベッドから身体を起こし、そこに胡坐をかいて座った。
「寝てなかったんだな」
「うん…急に目が冴えて来ちゃって。話って?」
酔いが醒めてきたらしく、忍はすっきりした顔をしている。静矢は、忍を見て、さっき店で見てしまった光景を再び思い出し、苛立つ気持ちを必死に抑えた。
「忍」
「静矢さん、怒ってる?なんか怖い顔してる」
「お前、嶋とどういう関係なんだ?」
「えっ?」
忍は驚いた顔で、静矢を見つめたが、すぐにその目線を逸らした。
やっぱり…二人には何かある。
忍の反応で、静矢はすぐにそう思った。
「付き合ってるのか」
「は…?!付き合ってる?!ちょっと待って…何それ、おれが、嶋さんと?」
「違うのか?だったらお前ら、今日、店のトイレの前で何してたんだ」
静矢がそう言った途端、忍は黙り込んだ。
「つまり、あれはそういう関係って事じゃないのか?」
「ちがっ…あれは…嶋さんが無理矢理…」
「無理矢理?」
「うん…。おれ、すごい酔っぱらってて、あの時力入らなくて…。あっでも、いつもはちゃんと…!」
そこまで言ってから、しまった、と言わんばかりに、忍は口を噤んだ。
「いつもは?じゃあ、ああいう事するのは今日が初めてじゃないんだな」
忍は、無言のまま頷いた。
「でも、付き合ってるわけじゃない…っていうか、そんな事絶対ないから!」
「じゃあ嶋の事は、好きなわけじゃないのか?」
「好きなわけないじゃん!だっておれは…!」
「何だ?」
「やっぱいい…。何でもない…」
静矢は、まるで親に怒られている子供の様に俯く忍を見つめ、深いため息をついた。
「お前はそういうつもりはなくても、嶋はお前に惚れてる。そういうことか?」
「うん…」
「いつからだ」
「ここに来て…すぐ」
「そんなに前から…?」
「うん」
「そうか」
静矢は、初めて嶋に忍を会わせた日の事を思い出した。それと同時に、静矢の嫉妬心は限界まで一気に募っていく。それは渦巻くように静矢の脳の奥深くに眠る、雄の本能を掻き立てた。
「静矢さん…!おれ本当は…」
忍が言いかけた言葉を待たずに、静矢は忍を胸の中にギュッと強く抱きしめた。
