
愛してるって言って!
第4章 【その愛に中毒を起こす】
『恋人じゃない』
夕方、時計の針が4時を指そうという頃になって、空き始めた店の扉が開いた。それと同時に、静矢と、二人の男女が楽しそうに話しながら入って来た。普段、静矢が見学者に見せる笑顔とは少し違う、はつらつとした明るい笑顔で、忍にとっても、その光景は新鮮なものに映った。
「いやー会った時はさすが様になってるって思ったけど、やっぱり静矢は静矢だな」
「当たり前だろ。あ、そうだ、紹介するよ。忍!」
忍は呼ばれるまま、カウンターから出て行き、その男女に頭を下げた。
「義理の弟の、忍。ここで働いてるんだ」
「狭山忍です。この度は、おめでとうございます」
二人は何かに気付いたように顔を見合わせてから、頭を下げる。
「ありがとうございます、内藤浩です。こっちは、妻の凪子」
「こんにちは、初めまして」
凪子と名乗った女性は忍を見ると、にこっと笑って頭を下げた。
「ドリンクをお持ち致します。お選び下さい」
「ありがとう、じゃあホットコーヒーと…凪子は?どうする?」
「私は…あったかい紅茶がいいかな」
「紅茶はミルク、レモン、ストレートがございますが、如何いたしますか?」
「ストレートで。お砂糖も要りません」
「かしこまりました」
忍がその場を離れると、内藤は静矢に言った。
「双子なんだっけ?」
「あぁ」
「同じ顔…だな」
「ちょっと、ヒロ!」
凪子は、慌てて内藤を制止している。
しっかり聞こえてますけど…。
視線を感じて、忍は千春を見た。
やっぱり目が合った。
千春は、ビクッとして慌てて目を逸らす。忍を心配しているのだろうが、その様子があまりにもあからさまで、忍は少し呆れてしまった。
夕方、時計の針が4時を指そうという頃になって、空き始めた店の扉が開いた。それと同時に、静矢と、二人の男女が楽しそうに話しながら入って来た。普段、静矢が見学者に見せる笑顔とは少し違う、はつらつとした明るい笑顔で、忍にとっても、その光景は新鮮なものに映った。
「いやー会った時はさすが様になってるって思ったけど、やっぱり静矢は静矢だな」
「当たり前だろ。あ、そうだ、紹介するよ。忍!」
忍は呼ばれるまま、カウンターから出て行き、その男女に頭を下げた。
「義理の弟の、忍。ここで働いてるんだ」
「狭山忍です。この度は、おめでとうございます」
二人は何かに気付いたように顔を見合わせてから、頭を下げる。
「ありがとうございます、内藤浩です。こっちは、妻の凪子」
「こんにちは、初めまして」
凪子と名乗った女性は忍を見ると、にこっと笑って頭を下げた。
「ドリンクをお持ち致します。お選び下さい」
「ありがとう、じゃあホットコーヒーと…凪子は?どうする?」
「私は…あったかい紅茶がいいかな」
「紅茶はミルク、レモン、ストレートがございますが、如何いたしますか?」
「ストレートで。お砂糖も要りません」
「かしこまりました」
忍がその場を離れると、内藤は静矢に言った。
「双子なんだっけ?」
「あぁ」
「同じ顔…だな」
「ちょっと、ヒロ!」
凪子は、慌てて内藤を制止している。
しっかり聞こえてますけど…。
視線を感じて、忍は千春を見た。
やっぱり目が合った。
千春は、ビクッとして慌てて目を逸らす。忍を心配しているのだろうが、その様子があまりにもあからさまで、忍は少し呆れてしまった。
