テキストサイズ

異世界転生が出来ると思ったのにポイントが高すぎる

第2章 後編

「銀月様……。この願いはどれくらいポイントが必要でしょうか」
「どのような願いだ」

「あなたの子供を産んで育てること……。異世界で」

じぃっと凝視し覗き込むように銀月様は私の顔を見る。

「酔狂な願いだな」
「本気です!」

「まずポイントについて教えてやろう」

 ポイントとは『徳』を積んだ時につくものでそれが願望に交換できるが現実の願いにはそれほど多くのポイントは消費しないみたい。出世したいとかはっきり叶うというよりも、チャンスが与えられるということなので実際は本人の努力と行動によって叶っているみたい。

私の最初の望みのように異世界に~ということを叶えるには相当のポイントが必要で、転生より転移の方がポイント消費が激しいらしい。

普通の人は死ぬまでに貯まったポイントで天国とか地獄とか選んだりするみたい。
昔の聖人がどっか行って、またその姿で奇跡を起こしたりするのもポイント交換によるものだけど、その高等クラスの人たちはポイントがも貯まりに貯まっているようだ。
そりゃあ信仰の対象になるくらいの『徳』をもつとそうなるのだろうなあ。

「で、どれくらいでしょう」
「10万だ」
「じゅっ! 10万……」

この前、NPC系異世界つまり私以外は設定済みの転生は1200だったけど、今度は希望が大きすぎるのか。1000を超えると上がりにくいポイントを10万だなんて。

「それだけあればお前の願いは全て叶うだろう」
「全て叶う……」

どれぐらいかかるんだろう。今、一年間で使わなかったら5000から6000くらい溜まってる。

「20年くらい……」

 戸惑い考え込む私を銀月様は優しく見つめ、髪を撫で囁く。

「難しく考えずともよい。もう休むがよかろう」
「はい……」

 指先から催眠剤でも出ているのだろうか。ゆっくり優しく撫でられていると目の前がだんだんと白く濁っていき深い眠りについていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ