異世界転生が出来ると思ったのにポイントが高すぎる
第1章 前編
6週間、死ぬ思いで頑張った。嫌なこともいっぱいあったが笑顔で乗り切る。これできっと1200ポイント貯まったはず、と神社に参る。
柏手を打つとお稲荷様が現れた。もう三度目なのでびっくりはしないが、やはり麗しい。
「目の保養目の保養っと。どうか希望転生お願いします」
「ふむ。まだ足りぬ」
「え? た、足りない? うっそ!」
「今、ちょうど1000だ」
「1000かあ」
どうやら一定のポイントを貯めると上がりにくくなるらしい。これ以上どうすればいいんだろう?時間をかけるしかないのだろうか。
「しかしこのポイントであれば、庶民の娘に転生し、働き者で誠実な庶民の男と結婚できるであろう」
「庶民同士……」
その条件の転生ならどうなんだろう。した方がいいのかな。もっと貯めたほうがいいのかな。なんだかどうすればいいのか途方に暮れているとお稲荷様が声を掛けてきた。
「お前は転生が望みなのか。それとも愛されたいのか。現世によほど不満があるのか」
そういわれるとどうなんだろうと自分でもよく分からなくなってきた。ここのところ大きな不満はない。なんだか後輩がよくなついてくるし、先輩は可愛がってくれている。
「なんか、今、いい感じかも」
「ならば転生の必要はなかろう」
「そう……かも」
「フッ」
初めて優しく微笑むお稲荷様の顔がとても美しいのでうっとりと見惚れてしまう。ああ、こういう麗しい人に溺愛されたいのよねえ。
「でもこれからもいいかどうかわからないし、誰かに愛されるかどうかもわからないし」
「お前は見合いをするのだろう?」
「え、あ、そうです。よくご存じですね……」
確かに先日、課長からうちの息子に会ってみないかと言われている。
柏手を打つとお稲荷様が現れた。もう三度目なのでびっくりはしないが、やはり麗しい。
「目の保養目の保養っと。どうか希望転生お願いします」
「ふむ。まだ足りぬ」
「え? た、足りない? うっそ!」
「今、ちょうど1000だ」
「1000かあ」
どうやら一定のポイントを貯めると上がりにくくなるらしい。これ以上どうすればいいんだろう?時間をかけるしかないのだろうか。
「しかしこのポイントであれば、庶民の娘に転生し、働き者で誠実な庶民の男と結婚できるであろう」
「庶民同士……」
その条件の転生ならどうなんだろう。した方がいいのかな。もっと貯めたほうがいいのかな。なんだかどうすればいいのか途方に暮れているとお稲荷様が声を掛けてきた。
「お前は転生が望みなのか。それとも愛されたいのか。現世によほど不満があるのか」
そういわれるとどうなんだろうと自分でもよく分からなくなってきた。ここのところ大きな不満はない。なんだか後輩がよくなついてくるし、先輩は可愛がってくれている。
「なんか、今、いい感じかも」
「ならば転生の必要はなかろう」
「そう……かも」
「フッ」
初めて優しく微笑むお稲荷様の顔がとても美しいのでうっとりと見惚れてしまう。ああ、こういう麗しい人に溺愛されたいのよねえ。
「でもこれからもいいかどうかわからないし、誰かに愛されるかどうかもわからないし」
「お前は見合いをするのだろう?」
「え、あ、そうです。よくご存じですね……」
確かに先日、課長からうちの息子に会ってみないかと言われている。