そばにいたい。
第6章 二人で休日出勤
キョーコはいったいどこから電話してるんだろう…
そんな大きな声を出して、周りに人がいたらどうするんだろう…
「はぁ…で?今どんな状況なの?」
ため息をつきながら、一応聞く。
『実は…明日、プレゼンがあるんですけどぉ…』
「うんうん」
『まだ資料が途中だったのを、さっきまで忘れててぇ』
「…うん…うん」
『慌ててたみたいで、間違ってデータを消しちゃったんですぅ~!』
「…うん」
『どーしましょー!?』
よーするに、ゼロスタートである…
ちょっと、この娘の評価を訂正します。
悪い子じゃないって言ったけど…極悪人だわ。
悪気無さそうにして、とんでもなく酷い事をする。
「どーしましょー…って、あんた記憶力良いんだから一人でしなさいよ」
『うぅー…センパイ、手伝ってくださいよぉ~!』
「私、フレンチ食べたいなぁ~…」
『フルコースでご馳走します!』
「二人分必要だなぁ~…」
『え!?二人って…センパイまさか…デキちゃった…?!』
「ばっか、何もデキて無いわよ!私と遥斗の二人分よ、ランチに遥斗も一緒で良いならなら手伝ってあげる」
チラッと遥斗を見ると、自分の名前が出たからか、興味津々にこちらを見ていた
『ううう…わかりましたぁ…お願いしますぅ…』
「じゃあ、急いで行くから…出来るとこまでしときなさいよ!」
はーいと言うキョーコの返事を聞いて、私は通話終了ボタンを押す
しゃーないなぁ…