無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

◇ＪＲ桃谷駅のホーム◇

「……。」

「夏海先輩、ちょっと待って下さいよ！」

しかし、夏海先輩は無言で駅の階段を下り始め、俺は先輩を追いかける。

◇道中◇

「……。」

「あのぉ、先輩？」

「……。」

改札を出てからも、今こうして学校へ向かってる最中でも夏海先輩に何度も話しかけるが、ずっと無言のまま俯いてる状態。

「先輩、本当にゴメンなさい…。
怒ってますよね…？」

「……別に怒ってないよ…。」

確かに怒ってない表情だけど、明らかに怒っているのが雰囲気でわかる。

「だったら、俯かないで俺の顔を見て下さいよ」

「……。」

それでも、夏海先輩は無言で俯いたままだ。

先輩、やっぱり怒ってるじゃないすか…。

「先輩！
悪ふざけが過ぎて、不愉快な思いさせたなら本当にすみませんでした！」

俺は、必死に夏海先輩に謝る。

「別に、気にしてない…。」

「でも、さっきから様子が変じゃないですか！」

「別にそんな事…。」