涙の先に見えるもの
第1章 涙の先に見えるもの
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「すみません、私、お手洗いに……」
無視するお局に隣の席の女たち。部長たちは酔っ払っていて私の話を聞いていない。
「ごめんなさい!」
無理矢理出ようとしても女たちがぐいぐい押してくる。わざとだ……。私のオムツはもうパンパンに膨らんでいる。これ以上、受け止められなくなるのは時間の問題だ。
三時間制の飲み放題。普通の人に耐えられても私にとっては地獄だ。ついにその時を迎えてしまった。
受けとめきれなくて、オムツから漏れ出してしまった尿。
「なんか臭くない~~? ってうわ?!相澤さん?!何をしているの?!」
「うっわ、きったね~~」
「何歳だよ?」
回りから聞こえる罵声の数々。もう終わりだ。新入社員にもお局にも課長に部長などの上司。涙が零れ落ちる。
恋愛なんて嫌だ。私をわかってくれる人なんか誰もいるものか。どうして私がこんなに悩まなければいけないのか。人一倍気を使っているのに。この飲み会だって来たくなかった。断ったのに無理矢理に連れ出されて……。ここから抜け出すことも許されない公開処刑。もう死にたい。