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オキナグサ

第2章 お礼


「……ふぁ、あ……」
「よー美穂川デケー欠伸してんな」


大学の講義を教室でぼーっと待っていると、後ろから佐倉にまた頭を小突かれた

その登場の仕方以外は無理なの、ねぇ


「おはよー佐倉」
「俺もいるよ、おはよう聖(ヒジリ)」
「おはよう皐月」


佐倉の後ろからぴょこっと現れたのは紀伊皐月(キイサツキ)


「何で美穂川はいつも眠そうなんだよ? ちゃんと寝てんのか?」
「んー……」


土日はずっと家にいたんだよ
ちゃんと

でも、あの人……
えぇと……名前……

あぁ、そうだ
アサヒさんが俺の中に出しすぎたせいでお腹の調子悪くて、あんまりゆっくり眠れなかったんだよね


当然そんなこと、2人には言えないんだけど


「寝ようという努力はした」
「なんだ、それ」
「聖、眠いなら俺が代わりにノート取ろっか?」
「紀伊は美穂川のこと甘やかしすぎ」


あ、そうだ忘れてた


「佐倉はいこれ、先週貸りたノートとお詫びの飲み物」
「ちょっ……お前それ今……!?」
「あはは、佐倉だって聖のこと甘やかしてるじゃん!」
「くっそ、こんなことなら貸さなきゃ良かった!」


2人とも過保護だなー
俺がボケボケしてるせい?

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