テキストサイズ

オキナグサ

第2章 お礼


講義をぼーっと聞いていると
俺のスマホが震えた


土日もずっとサイトからお誘い来てたんだけど
結局体調悪くて誰とも会わなかったんだよね

ほんと、あのアサヒさんやばかった
あの量は女の子だったら即効妊娠してた

いやもう
最早あの場で生まれてた


「っふ……っ」
「おい美穂川、なに1人で笑ってんだよ。授業中だぞ」
「……ごめ……っ」
「ったく……教授に見つかっても知らねーからな」


だって自分の考えがあまりにアホだったんだもん

あーやばい笑いすぎた
良かったあの教授耳が遠くて


うん

なんか笑ったらすごい気分良くなっちゃったから
久しぶりに誰かと会ってこよっと


「はい、じゃあここまで。今回はテストの代わりにレポート提出だから、忘れるなよー」


先生が教室から出て行って、佐倉がガタッと席を立つ

それを見上げた皐月が大きい目を佐倉に向けた


「佐倉もう行くの?」
「あぁ、悪い。彼女と飯食いに行く約束してんだわ」
「……あぁ……」
「先行くわ。じゃあな」
「……うん、ばいばい」
「じゃあね佐倉」
「美穂川お前次の講義は寝るなよ!」


約束は出来ないなー

こんな酷いことする男には
ねぇ、皐月?

ストーリーメニュー

TOPTOPへ