
貴方がいつもそこに居てくれたから…
第2章 弐
大野「あの頃は理由話してもどうせ"それなら先生に言いなさい!"って言われる事くらい分かってたんだよ。そんな事出来ねぇじゃん。俺なりに世話になってるって分かってたし」
櫻井「一週間も、何してたの?」
大野「………まぁまぁ……いろいろ…な(笑)」
櫻井「……ふぅ~ん」
成瀬「…ははは(笑)…酒と、女遊び…だろ?」
櫻井「………」
あ。
その話は、ちょっと…マズいのでは…
そう思ったけど、遅かった。
大野さんが苦笑いしてる。
櫻井さんは…
物凄い不機嫌そうで。
いやでも、もう何年前の話だと…
大野「翔。……もう何年前の話だと思ってんだよ(笑)高校生だぞ。…まだアイツにも出会ってねぇ頃だよ」
スッと立ち上がった櫻井さんが『……トイレ』と呟き席を離れていく。
大野さんは彼の姿が見えなくなると大きな溜め息を吐き出した。
成瀬「………え?……何、お前ら…」
大野「まぁ。…領も昔の話なんか持ち出すなよ…翔の機嫌治すの大変なんだぞ?」
成瀬「…悪い。まさかそんな関係だとは…」
「櫻井さん、大丈夫ですかね?……かなり、へこんでた気が…」
大野「あー………まぁ、大丈夫だけど。……俺が明日動けねぇだろうな(笑)」
「「…は?」」
思わず成瀬さんと声が被ってしまった。
櫻井さんの機嫌を治すのと、大野さんが明日動けなくなるのと何がどう繋がるのか分かんない。
でも、苦笑いとかではなく、大野さんがちょっとだけ嬉しそうに見えるのは、僕の気の所為だろうか。
大野「翔さぁ。……ヤキモチ妬きなんだよ。あぁ見えて(笑)いくら言葉で言っても"分かった大丈夫。ごめん"って言うんだけど…全然大丈夫じゃねぇの。……だから、俺が朝まで付き合ってやんの。翔の気が済むまで」
「……え?……それって…まさか…///」
成瀬「…セックス?」
大野「そ♪」
「…///」
それは…///
朝までって…///
成瀬さんは平気なのか、楽しそうに声を上げて笑った。
『…元気だなぁ、櫻井(笑)』とも付け加えた。
結局櫻井さんは席に戻って来なくて。
僕たちは帰る事にした。
成瀬さんはずっと楽しそうに笑ってて、僕は何度か謝った。
でも大野さんは『気にしなくていいよ♪』って笑ってくれる。
元々は成瀬さんの話からそうなったんだけど…
成瀬さんはまるで悪気がないみたいだった。
