
貴方がいつもそこに居てくれたから…
第2章 弐
「……ただいま…」
部屋に帰ると相葉さんは当然帰って来てて。
もちろん、連絡は入れておいたから僕の方が遅い事くらい分かってたはず。
相葉さんも"分かった♪"って返事をくれてたのに。
リビングに居る相葉さんは、見た事ないくらい不機嫌な顔してる。
「あの……相葉さん?」
相葉「………」
「遅くなって、ごめんなさい…」
相葉「………」
「櫻井さんが、弁護士さんを紹介してくれたので、僕の借金を片付けてくれる事に、なりました」
相葉「……良かったね?」
えぇー…
超機嫌悪いし…
良かったねって声に感情がない。
喜んでくれないんだ…
そう思ったら、何だか物凄く淋しくなった。
いつも僕に嬉しい事があると馬鹿みたいに一緒に喜んでくれるのに。
「……喜んで…くれない、んですね…」
相葉「……喜んでるよ。…だから良かったねって言ったじゃん」
「僕はこれでバイトも減らせるし相葉さんとの時間も増えるからって…嬉しかったのに……相葉さんは…」
相葉「喜んでるって言ってんじゃん!だけどだからって!何も大ちゃんの店に言って飲んで来なくても良くない?俺置いてきぼりにしてさぁ」
そっ、か。
相葉さんはのけ者みたいにされたって、拗ねてたんだ。
そんなつもりなかったし、僕はどっちかと言うと連れて行かれたってだけなんだけど。
三人が盛り上がってて僕は結構置いてきぼり感が強かったし。
結局櫻井さんは最後には落ち込んで居なくなったんだから…
「……相葉さん。……ごめんなさい…」
相葉「……いいよ、別に。和くん、楽しかったんなら、別にいい」
全然、別にいいって顔じゃないんですけど…
どうしていいのかさっぱり分かんないから、とりあえず思い付いた僕の出来る事をしてみよう。
背中を向けて、顔も見せてくれない相葉さん。
僕は、恥ずかしいって思いを必死で打ち消しながら、相葉さんの背中に抱き付いた。
「ごめんなさい。……僕…相葉さんの事……大好き、ですから///」
相葉「………」
「いつも、笑ってくれてた相葉さんが…好き、なんです、よ///?」
相葉「……和くん…」
「………背中を向けられるのって…悲しい、ですね?」
相葉「ごめん!和くん!…ごめんって!泣かないでよ!俺が悪かったって!ね?」
泣きそうな僕は、必死で堪えて伝えるべき事を必死で伝えた。
