テキストサイズ

貴方がいつもそこに居てくれたから…

第2章 弐


くるりと振り向いて僕を抱き締めてくれた。
細いくせに、力強い相葉さんの腕の中で僕はちょっとだけ涙が零れてしまう。

だけど、物凄くホッとする。

相葉「……ごめんね?和くん。…俺、駄目だよね……本当に、情けなくなる…」

「…そんな事、ないです。……僕こそ…ごめんなさい、連絡すれば良かった、ですね…」

本当はちゃんと何を話したとか教えてあげたかった。
だけど、大野さんが施設育ちだって事、相葉さんが知ってるのか分かんないから勝手に話していいのか僕には分かんない。

だから成瀬さんって弁護士さんに、これからお世話になる事を伝えた。

相葉「良かったね♪…和くんの負担がなくなるのは嬉しい♪」

「はい。理不尽な借金だと思いながらも、僕にはどうする事も出来なかったので」

そう言って笑ったら、相葉さんにキスされた。

吃驚して固まった僕は、多分真っ赤だと思う。
目の前の相葉さんが嬉しそうに笑ってる。
『可愛い♪和くん』って…

俯き掛けた僕に、そうさせないって言わんばかりにキスを浴びせて来る相葉さん。

「……ふぁ……ん……相葉、さん…」

相葉「……和くん。……嫌、かな?」

「…いや……嫌では、ない…です、けど///」

相葉「……けど?」

「………恥ずかしい///」

相葉「ふふ♪…俺………和くんが、ほしいんだけど…………駄目、かな?」

僕が…?
ほしい…///

それは…///
もしかして///

そう言う、事…だよね///

どうしよ…
そんな経験ないから、どうしていいのか分かんない。
だけど、断る理由もないし決して嫌な訳でもない。
ただただ、恥ずかしいのと。
ちょっと怖いって思いもある。
素直にそれを伝えたら、相葉さんはキュッと抱き締めてくれる。

相葉「……ごめんね?怖いなら、やめる。…和くんの嫌な事したくないから」

「…嫌では、ないんです///」

相葉「うん。…分かったよ。大丈夫」

「やめる、んですか?」

相葉「うん♪」

「……でも、我慢…するんです、よね?相葉さん」

相葉「んー…………まぁ。素直に言っちゃえば、ね(笑)?」

「……………いい、ですよ///?」

精一杯そう言ったのに、相葉さんは我慢するらしい。
そんな事させたい訳じゃないのに。

優しい相葉さんに、僕はこの先ずっと我慢させるなんて出来ないから。
自分から、キスをした。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ