
貴方がいつもそこに居てくれたから…
第3章 ※ SS ※
目を覚ましたら、翔がスーツに着替えてるとこだった。
ベッドの中からジッと眺めてる俺。
櫻井「………起きた?」
「……おはよ」
櫻井「おはよう♪……ごめんな?身体、大丈夫?」
「んー………まぁ、午前中は無理だろうな(笑)」
櫻井「…ごめん」
ゆっくり近付いて来て、夕べとは逆な状態だった。
ベッドの隅に腰を下ろした翔が、俺の頬に手を添えキスをする。
「……好きだよ?翔」
櫻井「うん、俺も」
「…朝飯は?」
櫻井「………食った」
啄む様にキスを繰り返す翔に聞けば、昨日買っておいたパンを見つけたらしくそれを食ったと言う。
何にも口にしないよりはまだマシか…と、動けないから謝罪を口にした。
櫻井「いや、俺が悪い(笑)…ゆっくり寝てて?」
「…ん♪」
最後にちょっとだけ舌を差し込まれ、『行ってきます♪』と仕事へ向かった翔。
目を閉じたら、数分と掛からず意識が途絶えた。
午後になってると気付いて、ベッドから出るとシャワーを浴びた。
いつまでも裸で居る訳にもいかないし(笑)
今日は休業だな(笑)
そう思ってたのに…
コーヒーを啜ってレシピサイトを眺めてたら、店先のインターホンが鳴った。
いつもなら休業だと決めたら絶対に開けないんだけど…
「………はい」
何となく、出てしまった。
機械越しに聞こえた声が、夕べの男だと気付いてドアを開けに向かった。
成瀬「…よぉ♪」
「……何だよ、今日は休みだぞ(笑)?」
成瀬「…何?…夕べヤり過ぎたから?」
「煩ぇ、そうだよ。…からかいに来たんなら帰れ」
成瀬「…相変わらずだなぁ?……夕方には帰るよ」
仕方ない。
ニノが世話になるなら、無下にも出来ないから渋々中へ上げた。
カウンターに座る領に、コーヒーを淹れる。
成瀬「…智がバーねぇ…」
そう呟いて店内を見渡す。
領は昔から弁護士になるって夢をずっと持ってた。
夢なんて物、持った事のない俺には理解出来なかったけど、高校卒業する頃には心の中で応援するくらいには落ち着けていた。
「領も、凄ぇじゃん。…弁護士なんてさ?」
成瀬「…まぁ、奨学金背負ってるけどな(笑)」
大学に行った領には、今とてつもない借金が残ってるらしい。
それでもなりたかった弁護士と言う職に満足してると言う。
弁護士になれた時、施設には顔を出したと言った。
