
貴方がいつもそこに居てくれたから…
第4章 参
知らないまま、櫻井さんのお見合いの話は彼の苦笑いで終わった。
ちょっと気にはなったけど、聞かずにおく事にした。
松本「……久し振り♪」
その後すぐ、潤くんが顔を出したから余計にその話題を続ける事もなくサラッと消えた。
結婚した潤くんはなかなか夜に出掛ける事がないらしくて、誘われる事もあるけど殆んど断ってるって言う。
そりゃ新婚さんなんだし、そうなるだろうなぁ。
松本「今日夜勤明けでさぁ。…来るのやめようかと思ったんだけど、寝るから出掛けろって言われたよ(笑)」
そう苦笑いする。
潤くんの話を聞いて、静かに休みたいんだと思ったけど…
大野「ふふ(笑)優しいな?」
櫻井「…ね?」
二人がそう微笑みながら言うから僕は首を傾げてしまった。
櫻井さんがそんな僕に気付いたらしく、『たまには友達と飲んで来いって事だよ、きっと』って教えてくれる。
そっか、潤くんが出掛けやすい様にわざとそう言ったんだ。
優しい奥さんだ♪
松本「まぁ///…ありがたいよね///」
照れ臭そうに頭を掻きながら呟いて、潤くんの耳がほんのり赤くなってる。
松本「…ってかさぁ。随分と二人はイチャイチャしてるみたいだけど(笑)」
視線を向けられて、未だ相葉さんに抱き締められたままだと気付く。
途端に恥ずかしくなって。
だけど振り払うのも無理矢理腕を引き剥がすのも、僕には出来ず俯いた。
三人の笑い声が聞こえて、相葉さんだけがとてつもなく嬉しそう。
「………離れ、ましょうよ///」
相葉「ふふ♪…駄目(笑)今日は和くん離さないから♪」
「いや、でも///……皆さんの前は、ちょっともう///」
櫻井「あはは(笑)!気にしなくていいよ?二宮さん♪」
そう言って櫻井さんに頭を撫でられた。
『触らないでよ!翔ちゃん!』って相葉さんの声がして、一瞬皆さんの動きが止まった気がする。
「……相葉、さん?」
相葉「………ごめん。……何でも、ない」
大野「ふふ♪…大丈夫。誰も取ったりしねぇから」
柔らかくて優しい声がして、顔を上げたら大野さんが微笑んでる。
俯いてしまった相葉さん。
僕は相葉さんをそっと抱き締めてあげた。
「………大丈夫です。相葉さん?心配しなくても、僕はここに居ます」
細くて大きな背中を擦って、相葉さんの腕の中に収まる。
やっと見つけた…僕の、居場所。
