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貴方がいつもそこに居てくれたから…

第6章 四


何だかんだと盛り上がったのは、本当に珍しく大野さんが何度も声を上げて笑ってたからかもしれない。

普段は凄く落ち着いた雰囲気で、どちらかと言うとクールな感じな大野さん。
滅多に酔わないらしいけど、櫻井さんも普段より結構なテンションだったから感化されたのかも…と思う程、大野さんは本当によく笑ってた。

相葉「ねぇ♪本当、翔ちゃんって大ちゃんが大好きだよねぇ♪」

櫻井「まぁな♪…ってか、今智居なくなったら生きて行ける気がしねぇわ(笑)」

サラリとそんな事を、照れる事なく言ってしまえるのも、やっぱりお酒の所為なんだろうか(笑)
大野さんに至っては、さすがにそこまで言われてちょっとだけ照れ臭そうだった。
だけどそれ以上に嬉しそうにも見える。

相葉「凄いよねぇ♪しかも大ちゃんちょっと嬉しそうじゃん(笑)」

大野「………そりゃ、なぁ///?そこまで言われたら…嬉しいだろ///………まぁ。翔には辛い想いいっぱいさせたからな?」

櫻井「ふふ♪…その分、今があるんだよ♪」

そんなノロケにも似た二人の話を聞いてても、全然嫌な感じがしないのも、これまでを知ってるからだと思った。

成瀬「…まぁいろいろあったっては聞いたけど」

咲田「そうなんですか?…苦労されたんですね?」

成瀬「…智もよく耐えたと思うし、櫻井も強いわ。……智が必ずしも振り向くとは限らなかったんだもんな?」

染々とそう言った成瀬さん。
確かに本当、そう思う。
しおりさんは知らないからか不思議そうな顔してて。
成瀬さんが大野さんに視線を向けると…

大野「俺…ずっと、もう二度と会えない奴の事想ってたんだよ。…引き摺ってた俺を、ずっと待っててくれたのが……翔なんだ」

咲田「……もう二度と…って…」

大野「死んだんだ。理由も分からず目の前から居なくなってさ。……死んだって聞かされた。絶ち切れなくていつまでも引き摺ってた俺の傍に、ずっと翔が居てくれた」

懐かしむ様にそう言った大野さん。
その表情が、物凄く穏やかで。
僕は何だかよく分かんないけど、泣きそうだった。

隣から鼻を啜る音が聞こえて"何でお前が泣くんだよ(笑)!"って、櫻井さんに突っ込まれたのは相葉さん。

しおりさんも、瞳を潤ませていた。

成瀬「…昔を考えたらこんな素直に気持ち口に出来てる智が俺には信じらんねぇけどな(笑)」


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