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貴方がいつもそこに居てくれたから…

第7章 五


無事に慰安旅行から帰って来た相葉さんは、お土産を広げながら楽しそう。
やっぱりたかが四日とは言え、この部屋に一人って事に淋しさを感じてたらしく、楽しそうな相葉さんを見てると物凄く嬉しくなる。

相葉「……和くん、何か俺より嬉しそうだね(笑)」

「あ、えっと///………やっぱり……嬉しい、ですよ///?相葉さんが、帰って来たから///」

喜んでる事があっさりバレる。

一瞬だけポカンとした相葉さんが、物凄い勢いで抱き締めて来るからひっくり返りそうになった。
何とか踏ん張った僕は、相葉さんに報告しなきゃならない事がある訳で。

だけどそんな事知らない彼は今にも僕を抱き上げベッドに連れて行こうとするから必死で止めた。

「あの!ごめんなさい!ちょっとだけ、待って…」

相葉「……何?どうしたの?」

「えっと…僕、相葉さんが旅行に出掛けてる間に…見知らぬ人に、告白…されてしまって…」

相葉「………は?」

「それで、えっと…」

相葉「まさか!和くんその人と!」

「違う違う!違います!最後まで聞いて!」

やっぱり誤解させてしまった。
必死で違うと首を振る僕をジッと見つめる相葉さんの瞳は、物凄く悲しげで。

そうじゃないのに…

何とか分かる様にあの日の事を細かに説明した。
ちゃんとお断りしたんだって。
僕一人じゃどうなるか分かんないから、結局大野さんに助けてもらわなきゃならなかったけど。
それでもちゃんときっぱり断ったんだって。

相葉「………」

「……相葉、さん?」

相葉「和くん」

「は、はい」

相葉「和くんは、俺の事…好き?」

「当たり前です!僕はもう今更相葉さんの居ない時間は無理です!……信じて、ください。僕、相葉さんが……大、好き、なんです…」

言ってるうちに、何故かは分かんないけど涙が込み上げて来て。
信じてほしいって思いと、誤解させて僅かにでも不安にさせてしまった事に、申し訳なくなった。

ごめんなさいってどんどん小さくなる僕の声。

泣く様な事じゃないのかもしれない。
だけど僕には相葉さんしか居ないから。
今ここで相葉さんが一言、許さないなんて言ったら…
きっと立ち直れない気がする。

相葉「ごめんね?和くん。泣かないで?俺も大好きだから。…ちょっとだけ怖かったんだ」

そう言って抱き締めてくれた相葉さんの腕の中は、やっぱり温かい。

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