
貴方がいつもそこに居てくれたから…
第1章 壱
大野さんと櫻井さんが、辛い時を経て今、お互いを信じ抜き傍に居る。
潤くんはあれから彼女と無事に結婚して、本当に仲の良い友人だけを集めたこじんまりとした結婚式を挙げ。
僕まで呼んでくれた。
相葉さんに言われた時は"僕まで?"って本当に吃驚したけど。
皆、周りで幸せを掴んで行く。
相葉さんは本当に、僕でいいんだろうか。
こんな暗い男。
いつでも真っ直ぐに想いをぶつけてくる相葉さんに、僕はどう応えるべきか未だに悩んでる本当に酷い奴だと、自分自身が呆れてしまう。
大切な人。
僕が初めて、失いたくないと思えた人たち。
やっぱり、怖いから。
このまま、封印してしまおう。
過去は、過去だと。
何でも話せばいいってもんでもないって、大野さんも言ってくれた。
辛いなら、それは自分だけでいいはずだ。
辛い事にも、苦しい事にも、僕は慣れてる。
今までそんな事ばかり背負って生きてきたんだから、今更何て事ない。
相葉「和くん♪…今日、うち来ない?」
「……え?…あー、いいですけど」
相葉「ふふ♪…今日は俺がご飯作るから♪……あ、食べれない物、ある?」
「えーっ、と………たくさん」
相葉「嘘ぉ!マジで?」
「はい。…貝類、生物……挙げればキリがないかと」
相葉「そっかぁ……あ、でもそれなら中華はイケる?火、通ってるし!」
「……多分?」
バイトの最中に来た相葉さんが、相も変わらず縁石に座って考え始めてる。
どうやら今日は僕に晩ご飯を作ってくれるらしい。
いつも僕のバイトが終わると近くのラーメン屋に行く事が多かった。
今日は深夜のバイトが休みだと、昼間来たメールで教えておいたからだろう。
僕は最近、コンビニのバイトを少しだけ減らしてる。
そりゃバイト代が減るのはキツいけど、それでもやっぱり彼に会う時間を作りたいって思うから。
週に一度は彼に会って癒されたい。
醜い最低な僕が、ほんの少しでも浄化される気がするんだ。
バイトの最中に買い物を済ませた相葉さん。
また現場に戻って来た彼の手には食材と大量のビールが入った袋。
買い過ぎじゃないかと言った僕に、相葉さんは『ついつい(笑)』と苦笑いする。
先輩「二宮?……交代の時間だぞ」
「……はい。…お疲れ様です、お先に失礼します」
バイトを終えて、相葉さんの部屋に帰るのは何度目だろう。
