
貴方がいつもそこに居てくれたから…
第9章 六
相葉さんの一言で、恐怖を感じた。
だけど、だからと言ってそれが彼とは限らない。
確信がないから、何にも言えないし出来ない。
とりあえず今日は様子を見ようと思った。
相葉「ふふ♪和くん、どうしたの?今日はずいぶん甘えて来るね♪」
怖さのあまり相葉さんにくっ付いてないと不安で仕方ないから。
でもまだ言えないから、僕は首を振る。
「……ごめんなさい。…嫌ですか?」
相葉「まさか♪嬉しいよ?…ただどうしたのかな?って思っただけ(笑)」
「何でもないです。…僕にも、くっ付きたい日は、あるんです///」
兎に角、今日だけは誤魔化そう。
罪悪感がありながらも、ちゃんと確信したら話すから…って、心の中で謝罪する僕。
翌日、バイトが休みの僕は大野さんのお店に早い時間から出向いた。
「…ごめんなさい、こんな早くに…」
大野「いや、いいよ。…何かあったのか?」
「あの人…に…付けられてる気が、するんです」
大野「………バイト先の?」
大野さんの表情が一変した。
険しくなったその表情は、相葉さんに話した方がいいかって聞く事を躊躇わせる程、ちょっと怖い。
でも大野さんは黙っておけないと言う。
まだ確信がない事を話すと、それでもそんな恐怖を感じてるなら話した方がいいと。
大野「一応…何かあったら困るから、領にも連絡しておくから」
「……はい。…今晩にでも、相葉さんに相談します。きっと引っ越す事になると思いますけど」
僕はその日の夕方、帰って来た相葉さんに全部を話した。
もちろん相葉さんは物凄く険しい表情で彼に会わせろって言ったけど、まだ確信がないからって必死で宥める事になって大変だった。
だけど何とか分かってくれたのは僕がバイトを辞めたくないって事を話したから。
その人以外はとても良い人ばかりで、仕事自体もレジに立たなければ楽しいんだって言った僕の訴えを、渋々受け入れてくれた。
結果、案の定相葉さんは引っ越す事を決めた。
新たなマンションは、櫻井さんが見つけてくれる事になった。
皆さんに迷惑を掛けてしまった事が、本当に心苦しい。
相葉「何言ってんの!皆気にしてないから♪大丈夫♪」
相葉さんはそう言って抱き締めて頭を撫でてくれた。
『…ありがとうございます』と、相葉さんに抱き付いた。
話して良かった。
そう思ったのは、この日だけで…
