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貴方がいつもそこに居てくれたから…

第9章 六


暫くは入院生活が続きそうだ…

一週間経ったけど、まだ背中の痛みも消えないし、動けば傷が開くから無理はしない様に言われてる。

それでも何とかベッドの上で起き上がるくらいなら出来る様になった。

相葉「和くん♪…はい、ご飯♪」

「ありがとうございます。…すいません」

相葉「もぉ…和くん謝ってばっかじゃん(笑)」

何かと世話を妬いてくれる相葉さんが、ついつい謝ってしまう僕を苦笑いする。
仕事の帰りに真っ直ぐ病室へ来てくれて、ご飯を取りに行ってくれては、終わった食器を下げてくれた。

『……失礼します。…ごめんなさい、そろそろ消灯なので』

相葉「はぁい♪…今帰ります」

こうして面会のギリギリまで傍に居てくれると、少しだけ淋しさも紛れてる気がする。

昼間は昼間で大野さんが頻繁に顔を出してくれて。
それは時に櫻井さんや成瀬さんだったり松本さんだったりする。

成瀬「…向こうが犯行を二宮さんの所為だって言ってるんだけど…検察側はストーカー行為だって主張してるんだ。まぁ、確実にこっち側の主張が通ると思うから心配はないから」

人を刺したくせに、彼は刺した事は認めたけどそれが僕の所為だって言ってると聞かされた。
成瀬さんはそれがどう引っくり返っても向こう側に有利になる訳がないから心配するなって言ってくれた。

「…ありがとうございます。よろしくお願いします」

大野「俺の所為でごめんな?」

「何言ってるんですか!僕の所為なんですから大野さんが謝らないでください!」

大野「どう考えても俺を庇ったんだから…」

「違います!元々僕を狙ってたんですから………それより大野さんがお店辞めてしまったって事の方が申し訳ないんです、僕…」

成瀬「…まぁ、確実に智が営業許可取らなかったってとこが要因だろうなぁ(笑)…何にせよ、悪いのはあの男だ。誰も悪くないからもうやめとけ(笑)」

成瀬さんに頭を撫でられたのは、初めてな気がする。

そう言えば、ちょこちょこ病室に来てくれる成瀬さんだけど…
咲田さんはまだ一度も顔を見てない気がしたから、『お元気ですか?』って聞いてみた。

苦笑いを返されて、何かマズい事でも聞いたのかと不安になった。

大野「元気らしいけど…もう付き合っては居ないんだ、領たち」

そう教えてくれたのは大野さん。
成瀬さんが病室を出てからのその言葉だった。

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