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ぱられるわーるど 〜fromはっぴぃえんど⁈〜

第3章 きせき〜軌跡❶〜

*Sside*

いつ、体調が悪くなるか分からない今のままでは、仕事をしても迷惑をかけるのが目に見えている。

頭では「あなたの代わりは沢山いるのよ」と副社長に言われた言葉がぐるぐる回っていた。

「ねぇ、潤。俺…仕事、暫く休んでいいかな?俺の代わりがいる仕事は、そっちにまかせる。今一番大事なのは、この子を無事に産むこと。それは俺にしかできない事だから…」

潤「翔…」

俺の気持ちをわかってほしい。

医師「とりあえず、体調は様子を見ていくしかないので、仕事の方は事務所と話し合いですね。あまりにも悪阻が酷かったり、母体の健康が損なわれる恐れがある場合は、必要ならば診断書を書くことはできますよ。医者の権限ではこれくらいしかできませんが…」

「ありがとうございます。少し話し合ってみます。今日は、これで帰っても大丈夫でしょうか?」

医師「大丈夫ですよ。あと、昨日お話したホルモン療法も体調が落ち着いていればいつでも出来るように手配をしてありますので、連絡をください」

潤「分かりました。色々ありがとうございます」

帰りの車の中、窓の外を流れる景色をぼんやりと眺めながら、これからの事を考えていた。

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