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ぱられるわーるど 〜fromはっぴぃえんど⁈〜

第5章 きせき〜軌跡❸〜

*S side*

翔母「まずは、玉ねぎのみじん切りから!」

包丁を渡され、まな板の上の玉ねぎさんと向き合う。

「えっと、みじん切りね…」

こう?それともこうかな?
包丁が玉ねぎさんの上を縦に横にとさまよっている。

翔母「そこから教えないとダメだった?」

う〜、そんな馬鹿にした言い方しなくても…。
まだ、玉ねぎを切ってもいないのに涙が出そうだ。

母さんは、そんな俺の手を取って、一緒に包丁を握った。

翔母「貴方が小さい頃は、私は今よりもっと忙しかったし、料理なんて教えたことなかったもんね。いい機会だし、あなたが家に居る間、色々教えてあげる。いずれ、あなたも子どもに教える時がくるでしょ?」

「母さん…」

まな板の上の玉ねぎさんが、トントンと心地よいリズムで切り刻まれていった。

ホワイトソースを作らない分、簡単にできるというクリームコロッケだったけど、火加減や炒める時間など、俺には実験のようで、細かくノートにメモをしながらようやく下準備ができた。

翔母「あとは、このまま冷蔵庫で寝かせておいて、夕御飯の時、揚げれば完成よ」

「ふ〜、ひと段落だね」

料理ってやっぱり大変だ。





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