あまい非日常の中で
第1章 香澄?私は凛です!
【彼がたまに私を香澄と呼ぶのには訳がある】
「そう!昨日のあのシーン!あれ声?息?の感じリアルだったねー。俺まじで勃ちそうになっちゃったもん!」
「た、勃ち..!?」
突然の下ネタに狼狽える私を見て、彼はまたあははと笑った。いくら幼稚園の頃から一緒にいた幼馴染だとしても、この歳になっての下ネタはやっぱり気恥ずかしい。
「やっぱり正解だったねぇ、俺」
【私には、彼と家族しか知らない秘密があって】
「え?何が?」
私が制服を脱ぎつつ聞くと、ん〜?と彼は頭をかきながらこう言った、
「勝手に声優オーディションに申し込んだこと」
【私は、”望月香澄(モチヅキ カスミ)“という声優だ】