後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第8章 淫らなアフターワーク
コトン
「……?」
「どうぞ」
私の口から今一度、盛大な溜め息が零れようとしたその直前
左後ろから視界の端に伸びてきた手が、デスクにそっと何かを置いた。
「葉川くん…」
チョコレートだった。
透明な包み紙にひとつずつ包装された四角いチョコレート。
そして、それを私に差し出した後輩くん。
バイトの学生とは違ってとにかく要領がいい彼は、頼んでいた作業を終わらせてチョコレートに添えてきた。
資料が入ったUSBと、甘いお菓子
…さて、先ずはどちらを受けとるべきか。
「お疲れさま、早かったわね」
「先輩こそお疲れさまです。たまには甘いものでも口にいれておかないと…。イライラが表情に出ていますよ」
「余計なお世話よ」
葉川くんに自分の苛つきを指摘されて私は余計に顔をしかめる。
デスクを叩くかのような勢いで提出されたUSBを掴み、パソコンに差し込んだ。