後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第8章 淫らなアフターワーク
必要なカロリーとひととおりの栄養素を有するこの食品は、常備食として優秀だ。
でも当たり前だけど、これでは夕飯としてどうにも口寂しい…。
だからといって外に食べに出るのも億劫( オックウ )な私は、手に持つ200カロリーをさっさと胃におさめた。
口の中の水分が吸われたので、事務所の冷蔵庫からミネラルウォーターを拝借。
喉を潤して自分のデスクに戻ってみると…
「…あ」
デスクの隅にチョコレートが転がっていたのを、そういえばと思い出した。
葉川くんに渡されたチョコレート。
すぐには食べず置いておいたのが、そのままだ。
“ 深夜にチョコレート…か。少し迷うけれど ”
数秒ほど自分の欲をおさえて冷静になる時間があった。
が、背に腹は変えられない。
チョコレートを渡された時の彼の腹のたつ物言いも忘れていたので、とくに大きな抵抗もなく私はそれを口にした。
量は僅かでも、疲れた身体はわりと満たされた。
それから私はシャワー室に向かった。
終電を逃した今夜はここで休むことにする。