後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第8章 淫らなアフターワーク
本当ならシャワーじゃなくて、家の浴槽でゆっくりしたいところだけどね。
「ふぅ…」
シャワー後の私は下着だけ着替えて、濡れた髪をタオルで押さえながらデスクへ歩く。
パジャマはさすがに持ってきていないから、仕方なく昼間と同じ服を着ている状態。
ただ今日はたまたまワイドパンツだったから締め付けは少ない。パンツと色味を合わせたベージュのブラウスも、シワがよりにくい素材だから安心だ。
後は髪を乾かして、仮眠室でひと眠り…
…そのつもりだったのだけれど
「まだ途中なのね……」
事務所中央のテーブルの前で私の気が変わった。
昼間にバイトくんが作業していたそのテーブルの上には、まだ作り途中の敷地模型が置きざられている。
その模型は、例のコンペのために作ってもらっている物だ。
建物の配置を検討するのに使う模型。
「……」
ついでだ。今日中に完成させてしまおう。
私はデスクの鉛筆立てからカッターナイフを取り、まだ切られていないパーツに刃を入れた。
──ガチャ