後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第9章 詫びのしるし
そりゃあ断るでしょ。
むしろ今まで参加してきた自分に労いの拍手と、断りを決意した自分に花束を贈りたいわ。
誰が好きこのんで死ぬような思いで汗流して、何の見返りもないのに走りまくらなきゃならないのか。
藤堂さんの趣味がランニングだからって、こればかりは付き合いきれない。
「君は初めてだから知らないわよね。本当にきついのよあれ」
「佐々並さんはOKしていました」
「穂花はああ見えて体力あるの…。週三でジムに通ってるって話していたし」
「意外ですね」
「それにまだ若いから」
だ い い ち に
イタリアの建築展での仕事を終えて日本に戻ってくるなり、呑気にもリレーマラソンの話題をふってくるのが信じられない。
藤堂さん不在の間…私がどれだけ忙しかったか
先々週の徹夜の日々を思えば、腹が立つのも当然だから。