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後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~

第9章 詫びのしるし



「もう二度とああいうのはやめて」

「…わかりました。他には?」

「他に?」

「他に何をしたら……僕を許してくれますか?」


今度は何のつもりなの…?

てっきりまた、歯の浮くような甘いセリフでからかってくるのかと思っていたら、予想に反して彼は切実だった。

私に払われた手をシートに添え、身をのり出して聞いてくる葉川くんの目は、こちらに誤魔化すことを許さない──。


「僕は先輩に嫌われたくありません。だから──何かお詫びをさせてください」


詫びを求めるその行為は、言ってしまえば許すことを相手に強要する行為。

だから私はそういう謝罪の仕方がもともと好きじゃない。


「…許せないと、言ったら?」

「それは困ります」

「…っ…君って時々、呆れるくらい我が儘よね」

「──…そうかもしれません。僕は先輩と違って…自分の欲求に正直なので」



ピク...



なによ、それ



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