後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第10章 それだけの関係
「オバサン呼ばわりされても、変わらず優しかったですしね」
「あのね当然でしょう。子供相手に喧嘩腰なんて、私をなんだと思ってるのよ」
「僕もあと二十年遅く生まれたかったです」
「ふふ……ヘンな冗談やめて」
くだらない。
けれど彼の口調から、ただのおふざけで言っているのが伝わってきたし…それに今は私も機嫌が良かったので、和やかなムードで会話は続いた。
二十年…ということは葉川くんは四歳か。
私は彼に、いったいどんな子供時代だったのかを聞こうとした──でも
やっぱり喉の奥で止めておいた。
“ 幼稚園の先生とかを平気で誘惑してそう ”
ほんの少し想像しただけで、一筋縄でいかない匂いがプンプンしたから。
「君は苦手なの? 子供」
「さぁ…どうですかね。歳は気にしない主義ですけど、さすがに幼児相手は犯罪になりますし。それ以前にあのフォルムにあまり魅力を感じませんし」
「…っ…誰が君の射程範囲を聞いたのよ…!」
子供時代からこんな危ない男だったなんて、さすがに知りたくないわ…。