テキストサイズ

後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~

第11章 かつての男


昼間に会った啓輔( ケイスケ )が、同じ格好で立っているのだ。

私は階段を降りる足を止めた。


「何か用事?」

「用事と言うか、たまたま営業先がこの近くだったから寄ったっていうか」

「……」

「……っ」


啓輔は自分で言い訳しておきながら、その言いぶんの不自然さを自覚しているらしい。

不自然さと言うか…

危なさと言うか。


「なんかストーカーっぽいかも……てのは頭よぎったりしたけどよ…ッ」

「わかってはいるのよね」


自覚しているから、こちらから指摘する前に啓輔が自分で白状した。

もともと嘘や誤魔化すことが苦手な啓輔だった。

…こういう不器用なところ、葉川くんとは真逆かもね。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ