後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第12章 変われない
「あいつは──…その、後輩は」
「……」
「お前のことが好きだったりするのか…?」
「はッ…!?」
急に何を言い出すの!?
啓輔はわざわざコロッケを取り皿に戻して、箸を置いて聞いてきた。
聞き間違いかと疑うレベルで驚いた私は、軽くそらしていた顔を咄嗟に前に向けた。
「なん…でよ…」
「…その反応…かまかけたつもりだったのに、マジかよ」
「……っ」
そんな私の反応が不味かったみたい。
アルコールのせいで弛み気味の表情筋はあまり大きく動かなかったけれど
熱を含んだ頬は瞬時に赤く染まっていた。
「…っ…まさかもう付き合ってるのか?」
「違う!」
取り乱せば乱すほど…逆効果なのは明らかだ。
私の赤らんだ顔は「そのとおりです」との答えだと相手に伝わってしまった。