後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第3章 たらしな新人くん
「ホッとしました。初日で早くも嫌われてしまったのかと思っていたので」
「……」
「確かに落ち度は僕にありますし」
「…それは…違うわ」
「そうですか?」
「さっきの対応は私が悪かったわ。連絡が不十分だったこちら側の落ち度……君には、嫌な思いをさせたわね。ごめんなさい」
本音を話すとそうとも言い切れない。
事務所に入った直後に彼がきちんと挨拶していれば、こちらもスムーズに理解できたもの。
彼にしても、まさかカフェで会った七連敗女に再会するなんて思ってなかったろうし、戸惑ったのもムリないけど…ね。
「私が顔に出にくいタイプだから困らせた? 私は君を歓迎しているのよ。…葉川くん、だったかしら。優秀な子なら尚更ね」
「…嘘でないなら、とても嬉しいです」
「なんで怪しむのよ…。普通に信じなさいよ」
「信じたいですね。ただ…──」
「…ッ」
散らばった図面の束を纏めていた私の
手に、葉川くんが手を重ねてきた。
そして指を絡められる──。
私は彼の意図がわからず、顔をあげた。
「…ちゃんと僕の目を見て言ってもらわないことには、信じられません」
「……!?」