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一等地に構える上級ブランドのホテル。

そこの最上階に設けられたレストランは格式の高さを思わせるシックな装い。

経営ホテルのブランドイメージでもある「和モダン」をコンセプトにした藤堂さんの設計は、仕上げ材に石や木を用いた落ち着いたデザインだ。

ここに来る途中、エントランスにも襖( ﾌｽﾏ )をモチーフにした間仕切りや照明があり、それが現代的な吹き抜け階段と上手く調和していた。


「これは何て言う料理だ？ 立花？ お前は聞き取れたか？」


…私と一緒のテーブルに座って、終始そわそわしているこの男。

上司としては問題ありだが、建築家としては悔しいことに尊敬せざるをえない。