後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第15章 ドレスコード
──…お綺麗です、先輩
「……フ」
もし、葉川くんなら
葉川くんがこの場にいたとしたら、どんな言葉をかけてくるのかしら。
それは、かけられた全ての女を勘違いさせ、有頂天にしてしまうような甘い言葉に違いない。
想像しただけで何故だか笑えた。
だから思わず葉川くんの話題を出してみた。
すると──。
「藤堂さんは…今度、葉川くんに教えてもらったらどうですか。こういう時の、連れの女にかけるべき褒め言葉」
「……っ」
ギクっ..!
「…?」
何?
今の、藤堂さんの「ギクっ」は。
不自然な反応を返されたので、私は無言で藤堂さんを見つめた。そう、問い詰めるような眼差しで。