テキストサイズ

後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~

第16章 汗と横顔


肉離れではなかったみたいだから、病院に行くほどじゃあないけれど…。

これだけ痛がるなら、もう走らせるのは無理ね。


“ あ、ということは…… ”


バイトくんには休んでもらっていっこうに構わない。

ただ、どうしたものか。

問題なのはバイトくんが走らないなら誰かが代わりに走らないといけないこと。


バイトくんはまだ3周しか走っていない。

もともと決めていた各々の割り振りは

藤堂さんと葉川くんが5周
バイトくんが4周
私と穂花が3周。


よって、あと1周分を誰かが余分に走る必要ができた……のだが。


“ これは……私が走るべきなのかしらね。 ”


藤堂さんか葉川くんに、自分の倍の距離を走らせるのはさすがに駄目な気がする…。

穂花に押し付けるのももっと変だし。




「──…僕が代わりに走りますね」


「…!? ちょ、葉川くん?」


「でないと完走できないですから」



私が嫌々ながらに名乗り出ようとする。…しかし

同じタイミングで葉川くんが声をあげた。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ