テキストサイズ

後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~

第20章 貴女が涙を流すなら


ちょっと反応があからさますぎるとも思うけど…。

穂花なんて、大好物のカスタードプリンを差し入れされた時と同じくらいの目の輝きで葉川くんを見ていた。

もっと、もっとちょうだい葉川くん!

心の声がだだ漏れな顔…。

ヨダレだけは垂らさないでね穂花。


「好きな食べ物とか無いんですか?」

「それは…っ、無いこともない…けど」

「例えば?」

「例えば…──も、もつ、とか。炙りもつが特に」

「…なるほどランチには向かないですね」


もっともだ。私ったら動揺しすぎて変な返答をしている。

そこはイタリアンとかでしょ!

穂花の心のブーイングが私の胸を貫いた。

わかってるってば。

恥ずかしくなった私は、皆の視線から逃げるように席へと急いだ。


「──…ランチには難しいですけど、…でも、季里さんの事をまたひとつ知れて良かった」


なのに

極めつけのひと言を彼が背中に投げかけてきたのだ。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ