後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第20章 貴女が涙を流すなら
「今の私が…っ…とっても、不様な顔をしているからよ」
不様( ブザマ )で惨めに違いない。
信じたい、信じるのだと決めたのに…
立ち聞きした彼の言葉にこれほど動揺して、取り乱しているのだから。
問い詰める勇気もなくてただ逃げ出そうとしているのだから。
私は…こんなに臆病な女じゃなかった筈なのに。
いつの間にか変わっていて、自分でも驚くほどの惨めさで
それなのにプライドだけは無駄に高い女だから、こんな状況になってるの。
だから君には見せられない。そうに決まっているじゃない──。
....
「──…ぶざま? それは……涙を堪えきれず、泣き腫らした目のことですか」
「……っ」
「…僕はそんなもの気にしませんが」