後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第20章 貴女が涙を流すなら
そして少しだけ身体を引いて、葉川くんは私の額に唇を寄せた。
俯く私の顔を覗きこもうとはしない。
バサッ
それから羽織っている紺色のサマージャケットを脱いだ彼は、それを私に被せた。
頭から被せられたジャケット──。
濡れているから温かくはないけれど
「…ありがとう」
私は、裾をぎゅっと握りしめる。
この時に初めて気付いたのは
私のブラウスは濡れたせいで透けていて、下に着ているインナーの色がうっすらと見えていたのかもしれないという事だった──。
───
その後、葉川くんに肩を抱かれながらホテルに向かった。
部屋に入るなり濡れた服を取り払う。
下着姿になった私は彼に抱きしめられて、二人でベッドに入った。