後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第21章 終章~この身勝手な小悪魔と~
「お前に話しておく事がある」
だったらここで話せばいいのに。…怪しい。
それに私は給湯室に関して、今は悪いイメージを持っている。
おとといの立ち話に関する話なら、気まずいから遠慮したいのに。
…そんな私が警戒心丸出しで様子を伺っていると、藤堂さんはやっぱり焦りだす。
「早く来なさい…っ。ほら珈琲淹れてやるから」
「……」
「立花…っ」
「今から昼食を買いに行くので珈琲はいりません」
そんなこんなで、なかなか言う通りにしない私に、藤堂さんは困り果てていた。
これ事態はよくある構図ではある。
しかし、普段のそれとは少し違うと察した穂花は、藤堂さんに助け船を出すことにしたらしい。
「あ、わたしもお昼休憩に行ってきまーす」
気をきかせて自分から外に出たのだ。
穂花が事務所から出ていき、ここにいるのは私と藤堂さんの二人だけになった。