後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第21章 終章~この身勝手な小悪魔と~
「本題は何ですか…!?」
「……」
私が勘づいたことを察したのだろう。
藤堂さんは唇を引き結んでニッと笑った。
「…今回のコンペは特に、俺は海外出張と被ったせいもあって全くサポートできなかった」
「…っ…当然です。コンペだけが事務所の仕事じゃないですから」
「そうだな」
「……」
藤堂さんの雰囲気──
私の予感は確信へと変わりつつあった。
「俺のサポート無しで立花は最優秀を勝ち取った。本当におめでとう。
──…はなむけの言葉として、申し分ない」
「はな むけ……」
「お前はそろそろ独立してもいいんじゃないか? ここを出て自分の事務所を持てばいい」
「それは…っ」
なんて突拍子もないことを、と
その言葉は喉の奥へ引っ込んだ。