後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第4章 誘惑のドライブ
「楽しいと感じるような話をした覚えは、ないと思うわ」
慎重に、かつ、辛辣に。
彼にはこのくらいの言い方が丁度いいのだと、ここ数日で学んだことだ。
「どんな内容の話なら喜んでもらえますかね」
「……さぁ」
彼も物好きよね。
これだけ私が塩対応を繰り返しても、毎日毎日…この手の話をふってくる。
それはそれで可哀想だから、場合によっては適当に話を合わせてあげてもいいのだけれど。
彼においては恐らく、私のこの愛想の無さを楽しんでいる気がする……たぶんね。
「今度、考えておくわ」
彼の質問をうやむやに流して、私は話を終わらせた。
信号が青に変わってアクセルを踏む。
高速道に入るために車線を変更した。
「──…先輩はSですか?」
「‥‥」